アガベ チタノタ/オテロイ用語辞典【更新中】

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どんな趣味でも専門用語というのはつきものですが、初心者としてはどこかに網羅的にまとまっていると助かりますよね。自分も先輩方からすればひよっ子ビギナーですが、アガベをはじめたばかりの頃を思い出しながらまとめています。

園芸品種については別途記事を設けようと思っていますので、基本的には解説はしていません。

随時更新中ですので、間違いや追加して欲しいワードがあれば SNS の DM などでお知らせください。

目次

アガベの部位の名称

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用語説明
鋸歯 (きょし)葉を縁取るように生えているトゲのこと。色は白/茶/黒のバリエーションがあり園芸品種ごとに異なる
トップスパイン (top spine)葉先から生えている鋸歯のこと。トップスピンと言う人もいる。

英語論文だと Terminal spine と書かれているため、トップスパインは和製英語と思われる。
サイドスパイン (side spine)トップスパイン以外の鋸歯のこと
バンド幅葉を縁取る鋸歯部分の幅のこと
ウォーターマーク展開前に付いた鋸歯の後

チタノタ・オテロイ関連の用語

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用語説明
チタノタアガベ チタノタのこと。アガベの代表的な品種であり、ネット上では単にアガベと書かれていたらチタノタを指していることが多い。

2019年に「シエラミクスティカ」と言われていたチタノタが、「アガベ オテロイ」という別種として学名登録された。現在チタノタと呼ばれているアガベの多くは、シエラミクスティカ系の特徴を有しているため厳密にはオテロイと考えられているが、市場の混乱を避けるために引き続きチタノタと呼ばれていることが多い。 (2024年現在)

厳密なチタノタの特徴については、ランチョタンバーの項目にて記述する。
ランチョタンバーメキシコのランチョタンバー (Rancho Tambor) で採取されたアガベと同様の特徴を持つ株に対して用いられる。

特徴は、青白い葉色と細長い葉、葉の中心にラインが入っていないこと。

園芸品種のホワイトアイスやライオンズメーンはランチョタンバー系とされることが多い。
チタノタ ブルーおそらくランチョタンバー系のチタノタのことで、オテロイではないことを強調することを目的として ‘Blue’ と付記していると考えられる。
チタノタ ドワーフおそらくオテロイの矮性種。

姫厳竜を Dwarf と英訳されていることがあるが、姫厳竜とは別物。仮に姫厳竜同士の交配による品種だとしても、F2は姫厳竜と遺伝子的に異なる。
オテロイアガベ オテロイのこと。2019年に新種として学名登録されたが、それまでシエラミクスティカ系のチタノタとして扱われてきたため、混乱を避けるために現在でもチタノタと呼ばれているものも多い。

現在は実生や現地球がオテロイと呼ばれている。
シエラミクスティカメキシコのシエラミクスティカ (Sierra Mixteca) で採取されたアガベと同様の特徴を持つ株に対して用いられる。2019年にオテロイという学名が付けられた。

特徴は、緑色の葉色と卵型の葉、葉の中心に薄くラインが入っていることが多い。
シエラ系オテロイ (FO-076) の中でも大白鯊や白豪刺、ivory w.a. といった園芸品種に似た特徴を持つものの総称。ノーネームでもこれらに似た特徴を持つものはシエラ系と言われる。

・鋸歯の色は白
・トップスパインは円錐のような形で太く葉に対して反りがち
・サイドスパインはかなり太い

その他、成長が遅い、子株を吹きやすい、などの育成上の特徴もある。

学名まわりの話とは異なる文脈でシエラ系を示すために Sierra Mixteca と呼ばれることがあるためカオスである。
FO-076フェリペ・オテロ氏がシエラミクスティカで採取した種子から育ったアガベに付けられていた管理番号。

オテロ氏が所有していた直系クローンも存在しているらしい。

また、シエラミクスティカであることを示すために付けられることもあるため現実問題として園芸品種としては機能していないに等しい。
ピーコッキー本来はアガベ ケルチョベイとマモラータの自然交雑種のことを指す。

オテロイとして実生したものからピーコッキーに似たアガベが成長する事象が多発したことで、葉が長くて反り返っているものはピーコッキーと呼ばれるようになってしまった。

チタノタ、オテロイ、ケルチョベイは生息地が近いため、たまたまケルチョベイと交雑した種子が採取されたのではないだろうか。

個体の特徴を表現するときに使われる用語

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用語説明
裏棘 (うらとげ)葉の裏から生えてきている鋸歯のこと。スタッズとも言われる。

子株のときに出てくることが多く成長にしたがって消えていくのが大半。大きくなっても残るものは希少性が高いとされており、こういった裏棘が特徴的な園芸品種はブツブツ系と言われている。
陽炎 (かげろう、ようえん)トップスパインのうねりが強いもののこと。
牡丹葉まるで牡丹の花のように展開する幅広の葉のこと。

園芸品種の白鯨や COK にその特徴が見られる。
ボールタイプ全体的なフォルムが丸くまとまって球状になるアガベのこと。ボール状に育っている株は人気がある。

園芸品種の白鯨はボールになりやすいことで有名。
ラウンドタイプ葉が円形であるもののこと。

園芸品種のフィリグリーは葉が円形とされる。

購入するときに知っていると便利な用語

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用語説明
カキ仔 (かきこ)親株の根元などから生えてきた子株のこと。表記揺れでカキコやカキ子などとも書かれる。
PUP (パプ)カキ仔のこと。Puppy (子犬) の略。
メリクロン茎頂培養のこと。要するに人工的に生産された株のこと。
OC (Original Clone)カキ仔や胴切りによる天芽など、親株から増えた株のこと。
TC (Tissue Culture)組織培養のことで、メリクロンのことを指す。
MCメリクロンの略。
実生種子を播種して育てることや、そうやって育てた株のこと。
園芸品種観賞価値の高い特徴をもつものを選抜した植物のこと。アガベにおいては同じ園芸品種であれば遺伝的に同じクローンとされる。ただし、現実的には同じ園芸品種内でも複数のタイプが見られることもある。
フェノタイプ遺伝的要因と環境的要因によって形成されるタイプのこと。仮に同じ遺伝子を持っていても環境が異なることで成長した姿が異なる可能性がある。
血統同じ親株から採れたことを示すために用いられることがある。単に同じナーセリーから仕入れたということを示していることもあり曖昧。

理想的には、同じ園芸品種ならすべて同じ遺伝子を持っているはずであるが、現実問題として同じ品種でも環境要因とは言い切れない特徴の違いがある場合もある。そこで、「血統」という表現が使われることがある。
ベアルート (Bare-root)抜き苗のこと。裸の根、つまり土が落とされた状態のことを指している。ただし、輸入株を指していることもあるので根がないことが多い。(輸入するときは根を切らないといけないため)

転じて現地株や山採れ株をベアルートと呼ぶこともあるみたい。

親切な販売者だと、ベアルート (発根済み) やベアルート (未発根) などと書いてくれていたりする。

育成における用語

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用語説明
発根管理未発根の株から根が出てくるまで環境を作って管理すること。やり方は簡単で、水分を含んだなんらかの資材にアガベの根本を刺しておくだけ。

水に根本を浸しておく水耕や用土に植え付ける土耕、水苔に刺しておくなど方法はさまざま。
胴切りアガベの中心部にある葉が生えている茎を横に切ることで、アガベを上下2つに切り分けること。上側を「天」、下側を「地」と呼ぶ。地の方に強制的に子株を吹かせることができるため株を増やす目的で行われる。
また、天は発根管理することで引き続き育てられる。

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